原発性硬化性胆管炎・潰瘍性大腸炎・自己免疫性疾患・腸内細菌と免疫細胞・花粉症・アレルギーに関する備忘録

1月 18, 2021

テレビやインターネットなどを通して目にした、気になる情報を個人的に覚えておきたいのでメモで残しておくことにしました。良かったらご覧ください。

新型コロナワクチン mRNAと多発性硬化症治療に関するニュース

新型コロナワクチン(mRNA)の開発から派生して、多発性硬化症治療に役立てられる可能性があるというニュースがありました。

あくまで可能性ですが、将来、自己免疫性疾患治療への応用展開がなされたらいいなと願います。備忘録として、リンク貼っておきます。

https://gigazine.net/news/20210113-covid-19-vaccine-mrna-multiple-sclerosis-biontech/

Sience↓

https://science.sciencemag.org/content/371/6525/145

NHKスペシャル「人体ー腸が免疫の鍵だったー」

初回放送は2018年1月。タモさんと、山中先生、田中投手が登場。

https://www.nhk.or.jp/kenko/special/jintai/sp_6.html

自己免疫疾患と腸内細菌、免疫細胞の働き

番組後半、多発性硬化症、重度のアレルギーについて紹介され、クロストリジウム菌という腸内細菌と、Tレグ(Treg)という免疫細胞の、免疫暴走を食い止める連携プレーが解説された。原発性硬化性胆管炎とは違うが、以下、気になる箇所引用。

人間の腸内にいる腸内細菌はおよそ1000種類、100兆個以上とも言われています。その中で、今回取材した重症のアレルギーと、多発性硬化症、異なる2つの病気に共通して減少していた腸内細菌がありました。それが「クロストリジウム菌」という腸内細菌の仲間です。およそ100種類いると言われるクロストリジウム菌の中で、ある種類が少なくなっていることが、どうやら「免疫細胞の暴走」と深く関わっているらしいのです。いま世界の研究者が大注目しています。(クロストリジウム菌の中には、病気を引き起こす有害な菌もいます。)

患者さんの腸内で減少していたクロストリジウム菌という腸内細菌は、腸の中で何をしているのでしょうか。その謎を解く鍵は、免疫研究の世界的権威、大阪大学特任教授の坂口志文さんが発見した「特別な免疫細胞」にありました。これまで免疫細胞と言えば、外敵を攻撃するのが役目と思われていましたが、坂口さんが新たに発見された免疫細胞は、その逆。むしろ仲間の免疫細胞の過剰な攻撃を抑える役割を持つことが突き止められました。その免疫細胞は、「Tレグ(制御性T細胞)」と名付けられています。免疫細胞の中には、「攻撃役」だけでなく、いわば「ブレーキ役」も存在していたのです。このTレグの働きで、全身の各所で過剰に活性化し暴走している免疫細胞がなだめられ、アレルギーや自己免疫疾患が抑えられていることがわかってきました。

なんとそんな大事なTレグが、腸内細菌の一種であるクロストリジウム菌の働きによって、私たちの腸でつくり出されていることが、最新研究で明らかになってきました。クロストリジウム菌は、私たちの腸内の「食物繊維」をエサとして食べ、「酪酸」と呼ばれる物質を盛んに放出します。この物質、実は腸に集結する免疫細胞に「落ちついて!」というメッセージを伝える役割を担っています。クロストリジウム菌が出した酪酸が、腸の壁を通って、その内側にいる免疫細胞に受け取られると、Tレグへと変身するのです。

もし腸内でクロストリジウム菌が出す酪酸が少なくなると、Tレグも適正に生み出されなくなると考えられます。腸内でクロストリジウム菌が明らかに少なくなっていた、あの重症のアレルギー患者さんや、多発性硬化症の患者さんは、腸内でTレグを生み出す働きが弱くなっている可能性が考えられます。

NHKスペシャル「人体」より

食物繊維と腸内細菌について

番組終盤、若い僧侶が、修行をするうちに、アトピーや花粉症が改善された研究が紹介された。食物繊維をとることが、腸内細菌の働きをよくし、免疫機能の改善につながっているのではという内容だった。以下、引用。

日本の食卓によくのぼる海藻や根菜などは、いずれも食物繊維がたっぷり。そのため日本人の腸内には、長い時の流れの中で、食物繊維を好んでエサにするクロストリジウム菌などの腸内細菌が多く住み着くようになったと考えられています。(海藻を分解することが出来る腸内細菌などは、日本人の腸に特有のものとして知られています。)

最近の研究で、腸内細菌研究の世界的権威・服部正平さんが、欧米など世界11か国と日本の健康な人の腸内細菌を詳しく比較したところ、驚くべきことがわかりました。日本人の腸内細菌は、食物繊維などを食べて「酪酸」など“免疫力をコントロールするような物質”を出す能力が、他の国の人の腸内細菌よりずば抜けて高かったのです。つまり私たち日本人の腸には、「鉄壁の免疫力」を生み出す潜在能力が、誰にでも受け継がれていると考えられます。

NHKスペシャル「人体」

これまで、PSCの原因として研究されている腸内細菌を
攻める研究に注目してきましたが、
そもそも体に備わる、免疫の暴走をコントロールする
働きを、自分で高めることができたらと
新たな視点を得ることができました。